家賃あ〜と払い

アーティストに家賃をお金ではなく、作品で支払ってもらうという仕組みを作りました。

まだまだ手探りですが、社会の課題を解決しながら、社会に価値を与えることができるイノベーティブなものが創出できるのではないかと思い、僕が今、一番頭を捻らせていることです。

もらった作品を売っていく仕組みを整えないと継続していくことは難しいので、シナジースペースの壁をミニギャラリーのようにしています。

気になる作品があったら、買ってください。

 

 

なぜ最近アートとか言ってるのかというと「個人的な理由」と「街づくり視点」の2つ理由があります。

これまで、経営はロジック、左脳で行うものだと考えられていました。しかし、社会が成熟して、機能性をアピールしてもモノは売れなくなってきました。消費者の購買行動がものすごく多様化してくることで、感性や感覚で消費を行うようになってきたので、商品やサービスの提供側にも感性が求められるようになってきました。だから、これからは経営者にも右脳的な思考、感性を磨くということが必要となってきたわけです。そのためには、アートに触れていくことが一番です。これが個人的な理由。

もうひとつ、街づくり視点からの理由ですが、金沢には伝統工芸があったり、21世紀美術館があったりと、アートが街の魅力の一つとなっています。北陸新幹線が開業して、東京や海外からのアクセスが良くなり、アートの街金沢の特色を磨いていけば金沢はもっと街の魅力を高めることができると考えています。

 

 

アーティストを志して美大に入って勉強しても、アートで食べていけるようになる人は一握りです。多くの人が、一般企業に就職するか、アルバイトしながらなんとか作品作りを続けているというのが現状です。

金沢美術工芸大学は日本中から優秀なアーティストの卵が集まりますが、アートで生活していくことができずに、金沢を離れる人は多くいます。

アーティストを支援する方法の一つとしては、彼らの作品を購入することです。僕も、気に入った作品の購入を少しずつ行ってきますが、僕がお小遣いで買える作品はたかがしれています。

なんとか、事業を通じてアーティストの支援ができないかと考えていた中で思いついたのが『家賃あ〜と払い』です。不動産賃貸業を行っていく中で、どうしても入居の決まりにくい部屋というものは存在します。空けておいても収益を生みませんので、入居の決まりにくい部屋であればアーティストに無料で住んでもらっても、負担としては大きくありません。

家賃の代わりにアート作品をもらうことで、アーティストは普通にアパートを借りていたお金を節約することができ、アルバイトを減らしたり、制作のために使うことができます。

 

去年8月に福岡から、今月に入って和歌山から、合計2名のアーティストが『家賃あ〜と払い』の制度で引っ越しをしてきました。芸術文化や自然環境のある金沢で過ごすことで、アーティストは刺激を得ることもできます。アーティストは、一般的な社会に適合できていない人が多くいます。対人コミュニケーションが苦手だったりする人も多いのですが、その分、自分自身と向き合って、その表現としてそれぞれの作品を制作していきます。彼らが、一般的な仕事に就けば、力を発揮することができず、彼ら自身も幸せではないです高い価値を生んでいるとは言えません。しかし、彼らが好きなことに没頭すれば、大きな価値を生み出す可能性もあると考えています。

僕は、現在ATLABというAIベンチャーの役職にもついていますが、RPAやAIの導入が進むと、現在の多くの仕事をロボットに任せることができます。仕事が無くなると悲観する声もありますが、労働から解放される人が増えるということです。人は労働から解放されると、より精神的に、モノや社会を豊かにする、哲学やアートなどに目を向けることになると考えています。

 

そんな社会の到来を前に、いち早くアーティストを生きるための労働から解放して、好きな表現をしてもらう。これができれば、社会に生み出される価値、アーティストの幸福、この両方で最大化が図れると考えています。

これからは、『家賃あ〜と払い』でいただいた作品をたくさんの人の目に触れる場所に置いたり、販売できる機会を増やしていき、継続・拡大できる仕組みを考えていきたいと思っています。

『家賃あ〜と払い』の部屋に住んでみたいアーティスト
アパートの空室が多いので、家賃あ〜と払いで貸してもいいなと考えている大家さん。ボロボロでも構いません。
家賃あ〜と払いでもらった作品をミニギャラリーにして飾ってくれる店舗など、ご興味ある方はメッセージください。

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