買値は忘れる
買値は忘れる
投資において自分の買値は忘れるべきです。
自分がいくらで買っていようと、現時点で判断して割安なら持つ、割高なら売る。不動産においても安かった時期を忘れられなくて他の物件が買えないということや、状況が変わっているのに自分の購入価格にこだわって損切りできないということはよく起こります。
昨日、キャシュフローゲーム行いまして僕もゲームに混ざりました。友人の波乗りニーノさんもお子さん連れで参加。僕のテーブルは僕を入れて4名でした。その中でよい教訓がでてきましたのでみんなにもシェア。
Aさんが5ドルで買った1000株買った銘柄が株式分割で株数が2倍に、取得単価は2.5ドルとなりました。僕はその銘柄を10ドルで購入できるカードを引きました。買うことができるのは僕だけ、誰でもこの価格で売却できるというカードです。この銘柄の株価はおよそ10ドルから40ドルで値動きをすると書かれていました。僕は安いと思ったので持っていた7000ドルで買えるだけ購入したました。5ドルで買っていたAさんは迷ったけれども売却を決断しました。5000ドルが2万ドルになったので儲かったという結果でしたが、すぐに50ドルで売却できるというカードが出て僕は7000ドルが35000ドルになりました。5ドルで買っていた人は売らなければ10万ドルになっていたのに。
すぐに50ドルで売れたというのは結果論ですのでどうでもいいことなのですが、ゲームが終わった後の振り返りの時間に僕はAさんに質問しました。「もし、株を持っていない状態で10ドルから40ドルで値動きする株が10ドルで売られていたら買いますか?」この問いに対してAさんは「買います」と答えました。
ということは、10ドルで売却するという決断をしたAさんの判断は合理的ではありません。10ドルで売っていたら買うのに、自分が2.5ドルで買ったものだから10ドルで売るという判断をしたのです。10ドルでも4倍になって利益がでるから売って利益を確定したいという欲望が出てしまいました。
運用の意思決定において反省材料とするなら買値を覚えていてその時の判断が合理的であったかどうかを振り返ることには価値がありますが、多くの場合は現在の価格との比較対象としてのみ使います。
常に考えるべきは、現在の価格が自分が想定する価値より安ければ買うか持つか、高ければ売る。これだけです。
現在価格は変動しますし、状況が変わって自分が想定する価値が上下することもありますが「買う、売る、持つ」の判断は価格と価値の関係のみで行います。これが投資の大原則。
といっても、心がぶれなく行動するのは難しいですが。