珠洲の揚げ浜式塩田を見に行ったら女性社長の生き方が面白すぎた
あるきっかけで石川県珠洲市の塩田を見に行くことになった。能登に行った時に塩田を何度か見たことはあったが、実際に海水をまいているところに遭遇したことはない。なんか面白そうだなと思っていて、塩田体験とかで海水まけたら楽しそうだなと考えて、塩田を経営する会社 Anteさんにお邪魔してみました。でも、社長とお会いして、そんな生半可な気持ちで来たことが恥ずかしくなりました。
そこで出会った中巳出社長のお話を聞いて、生半可にやるのは失礼だと感じた。女性社長の人生がとんでもなく面白かった。華道の流派を立ち上げたり、現代アートの彫刻家としてニューヨークで活躍したり、ECビジネスの起業されたそうです。
60歳を超えて作られた今の会社『株式会社Ante』は、”しおサイダー”をヒットさせたり、”しお・CAFE”というオシャレなカフェも珠洲市で経営されています。今の年齢は本人から聞いてください。起業されてから10年は経っています。
能登の塩田がどんどん減少していく中で、数千万円の資金を投じて新たに塩田を作られました。従来の製法を踏襲しながら、最新の技術も導入されています。塩の歴史についてもお話いただきました。
能登半島は海に飛び出していますので、よい海水がとれることも製塩が盛んだった要因だそうですが、最近はプラスチックゴミによる海洋汚染が世界中で課題となっています。Anteさんではプラスチックの有害なものを取り除くための装置をつけられています。
揚げ浜塩の製造過程は、海水を汲み上げて、塩田にまきます。砂を早く乾燥させるために、砂の表面積が大きくなるよう砂に筋をいれます。砂が乾燥したら、砂を集めます。塩田の真ん中に垂舟(たれふね)という箱を組み立て、塩分を含んだ砂に海水を流して塩分濃度の濃い海水を作ります。濃い海水をかん水といいます。
かん水がある程度たまったら、釜で炊きます。まずは荒炊き、そしてろ過して本炊き。ここで結晶化した塩ができて、にがりを分離させて塩ができあがります。工業的に作られた塩化ナトリウムとは違って、カリウムやマグネシウムなどのさまざまなミネラルが入っています。
中巳出社長のこだわりは釜炊きの燃料にまで及びます。廃材などを使うと安いのですが、地元の森林の間伐材を使っています。間伐材を使うことで、森が蘇ります。
「森と海は繋がっている、だから海を守るためには森も守らなければ」という理念だそうです。まさにSDGsです。
僕は、塩田に海水をまく体験を少しやってみたいなという感じだったのですが、中巳出社長のお話を聞いて、このこだわりのわかる人に塩田を見てもらいたいと考えました。素材にこだわった料理人達を連れてくるような企画もいいな。ちょっと考えます。
興味ある人いたら、ご連絡ください。
塩の結晶
しお・CAFEからの景色
揚げ浜式製塩の塩 写真に商品リンク貼ってます
奥能登地サイダー 塩サイダー 写真に商品リンク貼ってます