“コワーキングスペースの創る未来” が働き方を変える
オフィスに出社しなくても仕事ができる働き方が選択できる時代になりました。
ネット回線や、さまざまなクラウドのシステムなどが整備され「働き方改革」も国家戦略となっている中で、コワーキングスペースが注目されるようになってきました。
コワーキング(Co-Working)とは、事務所や打合せスペースなどを共有しながら独立した仕事を行うワークスタイルで、Coは「共同・一緒に」を意味します。それぞれが相互にアイディアや情報を交換し、オフィス環境を共有することで生まれる相乗効果を目指すコミュニティスペースが、コワーキングスペースです。
昨夜は沖縄で『コワーキングスペースから時代を変える』というイベントに参戦。
ニューヨークに本社を置き、起業家向けのコワーキングスペースを提供している「WeWork」は世界の一等地にあり、日本にもすごい勢いで進出してきました。評価額は2兆円を超えます。ビジネスとしては、不動産オーナーから物件を借りて、それをシェアオフィスやコワーキングなどに小分けして、デザイン性や快適性を高めて付加価値を上げて貸し出すというものです。空いている不動産を活用するのでシェアリングエコノミーの一つであると言えます。
日本で一番会員数がいるのではないかと思うのは「BasisPoint」新橋、汐留、五反田、神保町、池袋の5店舗でドロップインの人も含めて会員が2万人。毎月1000人ペースで増えているというすごいことになっています。
BasisPointのことはこちらの本に↓
僕は「シナジースペース」というコワーキングスペースを2011年1月に立ち上げました。
当時はコワーキングという言葉も一般的ではなく、日本にもようやく登場してきたくらいで、金沢市では初となるものでした。
コワーキングスペースがなぜ急速に広がってきたのか、今後働き方がどのように変わるのかを考えました。
コワーキングスペースの発展が創る未来
〜社会インフラの整備〜
コワーキングスペースができる以前も、喫茶店や自宅で仕事をする人はいました。しかし、ごく一部の仕事内容しかできませんでした。今は多くの仕事でリモートワークが可能となっています。インターネット回線が発達したこと、クラウドのサービスもたくさんでてきまし、勤怠管理などのソフトもあります。これによって、オフィスに出社しなくても働くことが可能なインフラが整いました。
〜働き方改革〜
企業は大きな人手不足の問題を抱えています。女性の活躍などが叫ばれていますが、女性がフルタイムで出社して働くことには制約があります。しかし、自宅で家事の合間に、子供が学校や保育園に通っている時間だけなら、そんな風に働く人が増えることでこれまで眠っていた労働力を供給することができます。
〜通勤ラッシュがなくなる?〜
このような中で人々の働き方がどう変わるのでしょうか。まずは、外国人の観光資源にもなっている日本の通勤ラッシュ。みんなが同じ時間に同じ場所に集まって働くことで起こる現象です。仕事前から体力と気力を消耗してしまいますし、1日1時間かかっているとしたら往復2時間。人生の多くを通勤に捧げている状況です。なんともったいないことです。どこでも働くことができるようになれば、わざわざ通勤ラッシュをしたいと思う人はいなくなると考えます。
〜地方が活性化〜
華やかな東京に住みたくて住んでいるという人もいますが、本当はもっと田舎で暮らしたいとい人は多いと思います。定年後に田舎暮らしというのは定番ですが、仕事しながら田舎で暮らす方が絶対楽しいで。僕も石川県に住んで、飯はうまい、芸術・文化があり、自然環境も豊か、東京に住むなんて考えられません。第一線で働いている人が地方で暮らし働くことは、地域にとって人口増加や消費の活性化だけではなく、新たなイノベーションの起こる要素ではないかと思います。
〜特色を持ったコワーキングスペース〜
リモートワーカーが増えて来ると、一つの場所にとどまらない働き方も増えてくると思います。行きたい場所を訪れながら仕事をしたり、季節によって自分の好きなところで働くこともできます。石川県は住みやすさ最高だと思っていますが、冬の気候だけは勘弁してほしいので、冬は沖縄とか東南アジアとかで暮らすのが僕個人としてはベストです。世界中にコワーキングが整備されて、リモートワークが当たり前になればそんな未来がきます。それぞれの地域に、特色を持ったコワーキングができると楽しそうです。
〜イノベーションの拠点〜
コワーキングスペースは大企業にも注目されています。自社でイノベーションを起こそうと思っても、同質化された人同士では新しいものは生まれにくくなります。いくら面白い人が集まっても、ずっと一緒にいれば同質化が始まってしまい、居心地はよいけどイノベーションは起こりません。イノベーションはある種の違和感や居心地の悪さの中にあります。「アイデアは化学反応のように異質のものが触れ合う瞬間に起こる」と僕は考えていますが、コワーキングスペースのように、人の入れ替わりがあったり、旅をしながら働く人がたまに使うことによって、コミュニティが常に異質のもの受け入れ続けることになります。
以上が僕の考える『コワーキングスペースの創る未来』
誰もがやりたいことをできる、住みたい場所に住む、働きたい人と仕事をする。そんな社会になっていくと思うし、そんな社会を作っていきたい。
この記事は沖縄の北谷の海を眺めながら書きました。