ノーベル賞で前から気になっていた“日本人が受賞”と云うけれど

本庶 佑(ほんじょ たすく)さんがノーベル医学生理学賞を受賞。おめでとうございます。

がん免疫治療薬「オプジーボ」を開発されました。

最近、日本人でノーベル賞を受賞される方は医学生理学賞が多いですね。

今回の受賞で26人目。

日本人で何人目とかよく出ているので、多いのか少ないのかを調べるために、ノーベル賞受賞者数の国別比較をしてみました。受賞者10人以上を出している国の、人口あたりの比較をしています。

アメリカの361人というのはすごいけど、イギリス、ドイツも多い。さらにこれを人口あたりで見てみると、イギリス、そしてスウェーデン、ノルウェー、デンマークなどの北欧はかなり多い。ノーベル賞の発足は1901年で、発足当初の文学賞は近隣国の人が多かったことが影響しています。

日本の人口当たりの受賞者数はロシアよりは多いものの、すごく少ないです。

僕は日本の学校教育の影響だと思います。日本の学校では、みんなと同じことをやるように求められ、答えを効率的に求める方法などを勉強しますが、興味のあることを追求していくことや、わからないことを調べていくとか、そんな探究心は育ちにくいのだろうと思います。

さらに、日本人のノーベル賞受賞者を見ると、留学していたり、海外で研究している人が多くいます。日本人が受賞というけれど、日本で研究するよりも海外の大学や研究所で研究しているという人が、特に自然科学の分野では多くなります。

日本では博士課程を終了してもほとんどが、いつクビになるかわからない不安定な待遇だと言われています。このような環境では研究者がなかなか育たない。研究者の待遇改善やシステムの構築が必要です。

 

日本人ノーベル賞受賞者の留学・海外勤務状況

《ノーベル物理学賞 11名》 

湯川秀樹 プリンストン高等研究所客員教授

朝永振一郎 ドイツ留学、プリンストン高等研究所滞在

江崎玲於奈 米国IBMトーマス・J・ワトソン研究所勤務

小柴昌俊 米ロチェスター大学留学、シカゴ大学研究員

小林誠 長期間の海外留学・海外勤務なし

南部陽一郎 プリンストン高等研究所滞在、シカゴ大学教授 米国籍

益川敏英 長期間の海外留学・海外勤務なし

赤崎勇 長期間の海外留学・海外勤務なし

天野浩 長期間の海外留学・海外勤務なし

中村修二 フロリダ大学留学、カリフォルニア大学教授 米国籍

梶田隆明 長期間の海外留学・海外勤務なし

 

《ノーベル化学賞 7名》

福井謙一 長期間の海外留学・海外勤務なし

白川英樹 ペンシベニア大学博士研究員

野依良治 ハーバード大学博士研究員

田中耕一 長期間の海外留学・海外勤務なし

下村脩 プリンストン大学上席研究員、ウッズホール海洋生物学研究所上席研究員

根岸英一 ペンシルベニア大学留学、パデュー大学博士研究員

鈴木章 ウェールズ大学招聘教授、パデュー大学招聘教授

 

《ノーベル生理学・医学賞 5名》

利根川進 カリフォルニア大学留学、マサチューセッツ工科大学教授

山中伸弥 カリフォルニア大学博士研究員

大村智 ウェズリアン大学客員教授

大隅良典 ロックレフェラー大学博士研究員

本庶佑 カーネギー研究所客員研究員

 

《ノーベル文学賞 2名》

川端康成 長期間の海外留学・海外勤務なし

大江健三郎 長期間の海外留学・海外勤務なし

 

《ノーベル平和賞 1名》

佐藤栄作 長期間の海外留学・海外勤務なし

(敬称略)

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