不幸は伝播する

不幸は伝播する

 人は利他的に行動する方が幸せになれるという話をしましたが、これは逆もあって幸せな人は利他的に行動するということもあります。心理学者のアリス・アイゼンとジェニファー・ジョージが「私たちは自分が気分のよいときに、より頻繁に他の人たちを助ける傾向にある」と発表しています。わざわざ研究成果を説明するまでもなく、自分自身の行動を考えてみたときも、そうだと思います。

 他の人を助けるというと自分の幸せをよりも他の人の幸せを優先するように思えるかもしれませんが、他人を助るということは自分が犠牲になるということではないということが重要です。人は自分の幸せを追求していないとき、本当の自分を押さえつけています。このような状況では決して他の人を思いやることはできません。

 シングルマザーの人と話をしている時に、自分は犠牲になって子供をしっかりと育てるんだと言っている人がいました。子供を思う気持ちの強さを感じると同時に、どこか不幸を引き寄せてしまっている印象も持ちました。現実に日本の社会ではシングルマザーの貧困は大きな課題であり、お母さんが経済的には我慢をするということが多いと思います。でも、自分は不幸な人生だけど子供には幸せになってほしい、自分は犠牲になって子供にはいい人生を歩んでほしいと思っていると、実は子供も幸せになることができません。

 自分が幸せになることで他の人を思いやることができ、他の人も幸せになります。他の人を幸せにしたかったら自分が幸せに生きるということを心がけ、幸せになるための行動をとっていただきたいと思います。

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